<平成29年度貝サポ お林下層植物相調査報告ならびにお林・南郷山菌類相比較調査報告会>の実施報告
- 2017/06/28
- 12:11
日 程: 平成29年5月20日(土)16:00~18:15
場 所: 真鶴町 コミュニティー真鶴 第一会議室
報告者:
①生命の星・地球博物館 植物担当 大西亘学芸員
②生命の星・地球博物館 菌類担当 折原貴道学芸員
参加者: 貝サポメンバー9名・子ども探検隊4名・観光ボランティア3名・真鶴中学校科学部員11名・小中学校教員2名 合計31名

内 容:
①「真鶴半“御林”における下層植物相の種多様性」
2015年3月~7月の期間、計6日間に渡り調査を実施
神奈川県植物誌調査会会員と大西亘学芸員による林内下層(林層)の植物層と上層空間の植物相を調査・比較した結果報告。
②「地域児童と進める、真鶴半島の大型菌類相調査と
外征菌根菌に着目したクロマツ生育状況評価」
❶2014年5月~12月計4回 真鶴半島における菌類相調査
❷2014年12月・2015年5月~11月湯河原町南郷山における〉菌類相調査
❸2015年8月お林内クロマツ菌根採取
生物に関心のある「子ども探検隊」児童とその保護者、学校教員、生命の星・地球博物館菌類ボランティアメンバー、貝サポメンバー、折原貴道学芸員による市民参加型調査活動として比較調査を実施した結果報告。
貝サポ子ども探検隊の子どもたちが折原学芸員の指導のもと、平成26・27年の2年間にわたり、真鶴町の宝「お林」のクロマツの健康状態を調べることを目的として、真鶴町お林と、湯河原町南郷山を比較した、キノコ調査と土壌中のマツの菌根菌調査を実施。その結果報告を、この度折原学芸員にまとめていただき、報告会を実施することができました。
また、お林の現状を知るという観点から、かねてよりお林の植生調査を行ない、日頃から貝サポとして共に活動いただいている大西学芸員にもご参加いただき、植生についても報告をしていただきました。
探検隊の子どもが、自主学習でまとめたレポートの展示をし、休憩タイムと報告会後の懇親会では、スタッフがきのこ調査の様子をスライドショーにしたものを上映して、子どもたちの成長の速さに驚いたり、記録として、映像としても残していくことの大切さを皆で共有しました。おなじみ🐚トコちゃん饅頭🐚の販売も!


また、学芸員さんへのお礼の懇親会の中で、立ち上げから今年度4月までの5年間貝サポの代表を務めていただいた中村さんへの、感謝の花束贈呈もおこないました。

🌺中村さん本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました🌺
~参加いただいた方々からの感想~
〇菌類がマツに共生していること、地下でも活動していることを初めてしりました。
炭を入れることでマツが元気になるのであれば、是非試していただきたいと思います。
(観光ボランティアメンバー)
〇この度キノコ調査において、子ども調査隊という事で自分の子ども達含め町内に住む子ども達が調査に携わる事が出来た事にとても嬉しく、またそれは大変貴重な経験をさせて頂いたという事に報告会を聞いて改めて実感いたしました。お林の未来を担う町の子ども達を育てる事もまた、お林を守る為に大切な事だと改めて実感いたしました。貝サポの一員として、また一人の保護者として考えさせられる内容でした(貝サポ 黒葛原真実)
〇2年も継続してボランティアと県立博物館の学芸員、学校の先生などがひとつになり、続いたことが本当に素晴らしいことだと思います。
村田さん作のスライドショーもすてきで、子どもたちのかわいらしい成長ぶりに感動してグッときました!
・こんなに小さな地域の自然、そしてコミュニティーに専門の学芸員さん関わり、学術的に調査、指導、さらに報告までしてくれるなんて、真鶴は本当に恵まれているし、それだけの価値がある自然だということを再認識しました。引き続き大切にしていくにはどうしたらよいかを考えて行かなくてはならないと思います。
・役場の人にも来ていただきたかったと思います。役場にとっても本当に意義のある調査報告でした。今回はお知らせの方法なども難しかったことに加え、役場のみなさんが参加しやすい日取りを検討してもいいかもしれません。平日日中に役場の研修などとして開催するなど。
(貝サポ 寺西聡子)
〇5月25日(木)発行 神奈川新聞・社説~学芸員・「長い時間軸を見据えて」~より
『表舞台で脚光を浴びることは少ないが、豊かな文化を守り、後世に残すために尽力している学芸員の仕事~~~現在と未来-。長い時間軸を見据えてなされているのが学芸員のしごとだ。
刹那的な観光振興の視点で物事を考えてはいけない。目先の採算にとらわれず、次代、さらにその先を視野に入れた文化のありようを考える。そうした知性を私たちも培いたい。』(以上抜粋)
この記事を是非お世話になった学芸員さんにお見せいただき、私からのお礼と応援の気持ちをお伝えいただきたいです。(小学校教員)
〇①~下草調査報告を聞いて~
・何気なく目立たずに存在しているものに注目して研究していることに驚きました。大きなものや良くわからないことばかりに目を向けていたが、身近に生えている下草をテーマに研究することに夢がひろがります。下草にもおおきな力が秘められていることを知り、知っているつもりでも意外と知らないことが多くあると気づかせてくれるお話しでした。
・真鶴半島の自然の特徴を知ることができました。気温などだいたいの条件は同じでも、光や水の量の違いで生える植物に違いがあることがわかりました。
・お林で、樹木より下草の種類が多いことがわかりました。
・お林にはまだ発見されていない植物があるのではないかと思いました。珍しい植物の生えているお林は、環境が良いのだと知ることが出来ました。
・お林全体の植物調査がまだできていないことに驚きました。
・植物が大好きで、良く山に行きますが、こんなに種類が豊富なことに驚きました。
②~菌類相比較調査を聞いて~
・キノコを食べることが好きです。特に好きなタマゴタケの話しが出てきて楽しかったです。
・キノコの種類が思っていたより多く、色々な形のものがあり驚きました。
・キノコは寄生して他のものから栄養を取っているだけだと思っていましたが、地面の中で木の根と栄養のやり取りをしていることを知り、キノコに対する考え方がかわりました。
歩いている地面の下で色々なやり取りが行われていると思うと、様々なことが小さい事のように感じました。
・キノコそのものが菌の本体だと思っていましたが、目に見えるキノコは胞子を飛ばす器官にすぎないと初めて知りました。キノコの生き方が3種類あること、他の植物を殺すものまであると知り、学ぶことを止めてはいけないと思いました。
・キノコと、乳酸菌・大腸菌は、種類が違うことを知りました。菌類が共生することで、木と栄養のやり取りをし、木が元気になることにつながることを学び、キノコもすごい役割を果たしていることを知ることができました。
③~全体を通して~
身近な真鶴の自然について知ることが出来て良かったです。真鶴は自然が豊かだということはわかっていましたが、お林について知ることができました。今回真鶴の自然について学ぶ機会を設けていただきありがとうございました。これから、下草や菌類の大きな役割に興味を持って観察したいです。自分が何年も生きていく地球、その自然を守るために、自分なりにできることをやっていこうと思います。貴重なお話しを聞くことができ様々なことを学ぶことができてとても良かったです。ありがとうございました。
(真鶴中学校 科学部のみなさんからの感想~一部抜粋~)
〇二年間の調査から今回の報告会まで、本当にたくさんの方々にお力添えをいただきました。

ご指導いただきました折原学芸員、菌類ボランティアの皆様。調査に参加してくれた子どもたち、保護者の皆様。小学校先生方。
キノコ調査での同定作業で場所を提供いただきました真鶴中学校。
報告会に足をお運びいただきました観光ボランティアの皆様。真鶴中学校林川先生と科学部のみなさん。
また、ともに活動し常日頃植物に関してご指導いただいている大西学芸員。
そして貝サポのみなさんに、改めて皆さまに感謝の気持ちをお伝えします。
(貝サポ 刀称由美子)
今後の活動
お林調査は、このほか、過去に「お林変形菌調査」や、町の「樹木調査」も実施され、今後戸時代初期につくられた人工林をどのように保全活用していくことが良いか大変注目されています。町民のみなさんが、どのようなお林であって欲しいのか、未来予想図はどのようになってゆくのか、とても楽しみです。
貝サポでは引き続き博物館学芸員らと共に、お林を含む真鶴半島の自然を見守る活動を続けてまいります。
遠藤貝類博物館には7月1日より新しい学芸員をお迎えします。楽しみですね!
皆さま是非今後の活動にもご参加ください。
場 所: 真鶴町 コミュニティー真鶴 第一会議室
報告者:
①生命の星・地球博物館 植物担当 大西亘学芸員
②生命の星・地球博物館 菌類担当 折原貴道学芸員
参加者: 貝サポメンバー9名・子ども探検隊4名・観光ボランティア3名・真鶴中学校科学部員11名・小中学校教員2名 合計31名

内 容:
①「真鶴半“御林”における下層植物相の種多様性」
2015年3月~7月の期間、計6日間に渡り調査を実施
神奈川県植物誌調査会会員と大西亘学芸員による林内下層(林層)の植物層と上層空間の植物相を調査・比較した結果報告。
②「地域児童と進める、真鶴半島の大型菌類相調査と
外征菌根菌に着目したクロマツ生育状況評価」
❶2014年5月~12月計4回 真鶴半島における菌類相調査
❷2014年12月・2015年5月~11月湯河原町南郷山における〉菌類相調査
❸2015年8月お林内クロマツ菌根採取
生物に関心のある「子ども探検隊」児童とその保護者、学校教員、生命の星・地球博物館菌類ボランティアメンバー、貝サポメンバー、折原貴道学芸員による市民参加型調査活動として比較調査を実施した結果報告。
貝サポ子ども探検隊の子どもたちが折原学芸員の指導のもと、平成26・27年の2年間にわたり、真鶴町の宝「お林」のクロマツの健康状態を調べることを目的として、真鶴町お林と、湯河原町南郷山を比較した、キノコ調査と土壌中のマツの菌根菌調査を実施。その結果報告を、この度折原学芸員にまとめていただき、報告会を実施することができました。
また、お林の現状を知るという観点から、かねてよりお林の植生調査を行ない、日頃から貝サポとして共に活動いただいている大西学芸員にもご参加いただき、植生についても報告をしていただきました。
探検隊の子どもが、自主学習でまとめたレポートの展示をし、休憩タイムと報告会後の懇親会では、スタッフがきのこ調査の様子をスライドショーにしたものを上映して、子どもたちの成長の速さに驚いたり、記録として、映像としても残していくことの大切さを皆で共有しました。おなじみ🐚トコちゃん饅頭🐚の販売も!


また、学芸員さんへのお礼の懇親会の中で、立ち上げから今年度4月までの5年間貝サポの代表を務めていただいた中村さんへの、感謝の花束贈呈もおこないました。

🌺中村さん本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました🌺
~参加いただいた方々からの感想~
〇菌類がマツに共生していること、地下でも活動していることを初めてしりました。
炭を入れることでマツが元気になるのであれば、是非試していただきたいと思います。
(観光ボランティアメンバー)
〇この度キノコ調査において、子ども調査隊という事で自分の子ども達含め町内に住む子ども達が調査に携わる事が出来た事にとても嬉しく、またそれは大変貴重な経験をさせて頂いたという事に報告会を聞いて改めて実感いたしました。お林の未来を担う町の子ども達を育てる事もまた、お林を守る為に大切な事だと改めて実感いたしました。貝サポの一員として、また一人の保護者として考えさせられる内容でした(貝サポ 黒葛原真実)
〇2年も継続してボランティアと県立博物館の学芸員、学校の先生などがひとつになり、続いたことが本当に素晴らしいことだと思います。
村田さん作のスライドショーもすてきで、子どもたちのかわいらしい成長ぶりに感動してグッときました!
・こんなに小さな地域の自然、そしてコミュニティーに専門の学芸員さん関わり、学術的に調査、指導、さらに報告までしてくれるなんて、真鶴は本当に恵まれているし、それだけの価値がある自然だということを再認識しました。引き続き大切にしていくにはどうしたらよいかを考えて行かなくてはならないと思います。
・役場の人にも来ていただきたかったと思います。役場にとっても本当に意義のある調査報告でした。今回はお知らせの方法なども難しかったことに加え、役場のみなさんが参加しやすい日取りを検討してもいいかもしれません。平日日中に役場の研修などとして開催するなど。
(貝サポ 寺西聡子)
〇5月25日(木)発行 神奈川新聞・社説~学芸員・「長い時間軸を見据えて」~より
『表舞台で脚光を浴びることは少ないが、豊かな文化を守り、後世に残すために尽力している学芸員の仕事~~~現在と未来-。長い時間軸を見据えてなされているのが学芸員のしごとだ。
刹那的な観光振興の視点で物事を考えてはいけない。目先の採算にとらわれず、次代、さらにその先を視野に入れた文化のありようを考える。そうした知性を私たちも培いたい。』(以上抜粋)
この記事を是非お世話になった学芸員さんにお見せいただき、私からのお礼と応援の気持ちをお伝えいただきたいです。(小学校教員)
〇①~下草調査報告を聞いて~
・何気なく目立たずに存在しているものに注目して研究していることに驚きました。大きなものや良くわからないことばかりに目を向けていたが、身近に生えている下草をテーマに研究することに夢がひろがります。下草にもおおきな力が秘められていることを知り、知っているつもりでも意外と知らないことが多くあると気づかせてくれるお話しでした。
・真鶴半島の自然の特徴を知ることができました。気温などだいたいの条件は同じでも、光や水の量の違いで生える植物に違いがあることがわかりました。
・お林で、樹木より下草の種類が多いことがわかりました。
・お林にはまだ発見されていない植物があるのではないかと思いました。珍しい植物の生えているお林は、環境が良いのだと知ることが出来ました。
・お林全体の植物調査がまだできていないことに驚きました。
・植物が大好きで、良く山に行きますが、こんなに種類が豊富なことに驚きました。
②~菌類相比較調査を聞いて~
・キノコを食べることが好きです。特に好きなタマゴタケの話しが出てきて楽しかったです。
・キノコの種類が思っていたより多く、色々な形のものがあり驚きました。
・キノコは寄生して他のものから栄養を取っているだけだと思っていましたが、地面の中で木の根と栄養のやり取りをしていることを知り、キノコに対する考え方がかわりました。
歩いている地面の下で色々なやり取りが行われていると思うと、様々なことが小さい事のように感じました。
・キノコそのものが菌の本体だと思っていましたが、目に見えるキノコは胞子を飛ばす器官にすぎないと初めて知りました。キノコの生き方が3種類あること、他の植物を殺すものまであると知り、学ぶことを止めてはいけないと思いました。
・キノコと、乳酸菌・大腸菌は、種類が違うことを知りました。菌類が共生することで、木と栄養のやり取りをし、木が元気になることにつながることを学び、キノコもすごい役割を果たしていることを知ることができました。
③~全体を通して~
身近な真鶴の自然について知ることが出来て良かったです。真鶴は自然が豊かだということはわかっていましたが、お林について知ることができました。今回真鶴の自然について学ぶ機会を設けていただきありがとうございました。これから、下草や菌類の大きな役割に興味を持って観察したいです。自分が何年も生きていく地球、その自然を守るために、自分なりにできることをやっていこうと思います。貴重なお話しを聞くことができ様々なことを学ぶことができてとても良かったです。ありがとうございました。
(真鶴中学校 科学部のみなさんからの感想~一部抜粋~)
〇二年間の調査から今回の報告会まで、本当にたくさんの方々にお力添えをいただきました。

ご指導いただきました折原学芸員、菌類ボランティアの皆様。調査に参加してくれた子どもたち、保護者の皆様。小学校先生方。
キノコ調査での同定作業で場所を提供いただきました真鶴中学校。
報告会に足をお運びいただきました観光ボランティアの皆様。真鶴中学校林川先生と科学部のみなさん。
また、ともに活動し常日頃植物に関してご指導いただいている大西学芸員。
そして貝サポのみなさんに、改めて皆さまに感謝の気持ちをお伝えします。
(貝サポ 刀称由美子)
今後の活動
お林調査は、このほか、過去に「お林変形菌調査」や、町の「樹木調査」も実施され、今後戸時代初期につくられた人工林をどのように保全活用していくことが良いか大変注目されています。町民のみなさんが、どのようなお林であって欲しいのか、未来予想図はどのようになってゆくのか、とても楽しみです。
貝サポでは引き続き博物館学芸員らと共に、お林を含む真鶴半島の自然を見守る活動を続けてまいります。
遠藤貝類博物館には7月1日より新しい学芸員をお迎えします。楽しみですね!
皆さま是非今後の活動にもご参加ください。