どんぶらこ図鑑 桜貝
- 2017/03/15
- 00:07
どんぶらこ図鑑 桜貝
はじめまして!漂着物をこよなく愛する濱崎瑠菜と申します。今回から不定期で、貝博サポーターズの「どんぶらこ図鑑」を担当することとなりました。よろしくお願いします(^^)
記念すべき第1回は、私が大好きな二枚貝、桜貝のご紹介です(図1)。

図1 恋愛成就のご利益があるかも!?桜貝のハート♡
「桜貝」がカタカナじゃないぞ?と思ったそこのアナタ!かなりの生物マニアですね。一般的に、生物の和名(日本語での名前)はカタカナで書くのですが、今回なぜ私が漢字で「桜貝」と書いたのかと言いますと…
実は、通称「桜貝」と呼ばれる貝は5種ほど存在するのです!!!
それでは、その5種類を見ていきましょう!(図2)

図2 「桜貝」5種。キミは違いの分かるオトナになれるかな?
画面の前のアナタ「え……。どれも一緒のピンクの貝じゃん…。」
フツーはそう思います。安心してください、ちゃんと解説しますよ(^^)
ではでは、1種ずつ特徴を見ていきましょう!貝殻の部位については、図3を参考にしてください(今回、図がちょっと雑ですが、次回以降貝の部位についてお話しできたらなあと思います)。

図3 二枚貝の部位(模式図)
① ベニガイPharaonella sieboldii (Deshayes, 1855)

他の「桜貝」と比べて、細長―い形をしています。浜辺で拾うとなると、ちょっとレア。
② モモノハナガイMoerella jedoensis (Lischke, 1872)

なんとなーく三角形。赤みも強い…かな?
③ サクラガイNitidotelina hokkaidoensis (Habe,1961)


真打登場!和名「サクラガイ」の桜貝!
殻長は1.8cm、殻高は1cmで、前後に長い卵形をしている。右殻の前主歯近くに側歯がある。筒状靭帯を持つ。殻表は左右の殻とも、中央から前方にかけて成長線と緩やかに斜交する稜で覆われる。成長線は同属のカバザクラに比べ荒い。殻色は桃色であるが、控えめかつ繊細な色は桜色や桜貝色と言っても差支えないだろう。また、ニッコウガイ科の特徴として、殻の後方は右に向かって反り返っている。ニッコウガイ科は左殻を上にして横たわっており、殻の反り返りは水管を上方に導く機能があるとされる。と、熱く語ってしまいましたが、もっと知りたい方は、本文の元ネタとなりました、学部生時代に書いたレポートのデータをお送りしますので、濱崎までご連絡ください。ちなみに、右の写真は生きているサクラガイです。生きている時もお美しい…。
④ カバザクラNitidotelina iridella (Martens, 1865)

オレンジ色っぽい個体もいます。よーく見ると、殻頂から腹縁にかけて2本白い筋が走っています。(写真があんまりきれいじゃなくてゴメンナサイ)
⑤ オオモモノハナ Textamacoma prae (Martens,1865)

でかい。サクラガイが殻長1.8㎝、殻高1㎝であるのに対し、オオモモノハナは殻長3㎝、殻高1.5㎝もあるのです!!ちなみに、私はオオモモノハナの合弁(生きている時のように、貝殻が2枚一組になっている状態)は拾ったことがないです。拾ったことあるよ!という人はぜひ教えてください。
さあ、これでキミも桜貝マスターだ!ん?結局見分けがつかなかったって?そんなキミは、ぜひ真鶴町立遠藤貝類博物館に本物の桜貝たちを見に行こう!!!
【参考文献】
奥谷喬司(2000)『日本近海産貝類図巻』東海大学出版会,p972-981
佐々木猛智(2010)『貝類学』東京大学出版会,p270-271
誤同定などありましたら、優しく教えてくださると、とっても嬉しいです。
質問などありましたら、コメント欄に書き込んでください!
画像撮影はすべて筆者。
はじめまして!漂着物をこよなく愛する濱崎瑠菜と申します。今回から不定期で、貝博サポーターズの「どんぶらこ図鑑」を担当することとなりました。よろしくお願いします(^^)
記念すべき第1回は、私が大好きな二枚貝、桜貝のご紹介です(図1)。

図1 恋愛成就のご利益があるかも!?桜貝のハート♡
「桜貝」がカタカナじゃないぞ?と思ったそこのアナタ!かなりの生物マニアですね。一般的に、生物の和名(日本語での名前)はカタカナで書くのですが、今回なぜ私が漢字で「桜貝」と書いたのかと言いますと…
実は、通称「桜貝」と呼ばれる貝は5種ほど存在するのです!!!
それでは、その5種類を見ていきましょう!(図2)

図2 「桜貝」5種。キミは違いの分かるオトナになれるかな?
画面の前のアナタ「え……。どれも一緒のピンクの貝じゃん…。」
フツーはそう思います。安心してください、ちゃんと解説しますよ(^^)
ではでは、1種ずつ特徴を見ていきましょう!貝殻の部位については、図3を参考にしてください(今回、図がちょっと雑ですが、次回以降貝の部位についてお話しできたらなあと思います)。

図3 二枚貝の部位(模式図)
① ベニガイPharaonella sieboldii (Deshayes, 1855)

他の「桜貝」と比べて、細長―い形をしています。浜辺で拾うとなると、ちょっとレア。
② モモノハナガイMoerella jedoensis (Lischke, 1872)

なんとなーく三角形。赤みも強い…かな?
③ サクラガイNitidotelina hokkaidoensis (Habe,1961)


真打登場!和名「サクラガイ」の桜貝!
殻長は1.8cm、殻高は1cmで、前後に長い卵形をしている。右殻の前主歯近くに側歯がある。筒状靭帯を持つ。殻表は左右の殻とも、中央から前方にかけて成長線と緩やかに斜交する稜で覆われる。成長線は同属のカバザクラに比べ荒い。殻色は桃色であるが、控えめかつ繊細な色は桜色や桜貝色と言っても差支えないだろう。また、ニッコウガイ科の特徴として、殻の後方は右に向かって反り返っている。ニッコウガイ科は左殻を上にして横たわっており、殻の反り返りは水管を上方に導く機能があるとされる。と、熱く語ってしまいましたが、もっと知りたい方は、本文の元ネタとなりました、学部生時代に書いたレポートのデータをお送りしますので、濱崎までご連絡ください。ちなみに、右の写真は生きているサクラガイです。生きている時もお美しい…。
④ カバザクラNitidotelina iridella (Martens, 1865)

オレンジ色っぽい個体もいます。よーく見ると、殻頂から腹縁にかけて2本白い筋が走っています。(写真があんまりきれいじゃなくてゴメンナサイ)
⑤ オオモモノハナ Textamacoma prae (Martens,1865)

でかい。サクラガイが殻長1.8㎝、殻高1㎝であるのに対し、オオモモノハナは殻長3㎝、殻高1.5㎝もあるのです!!ちなみに、私はオオモモノハナの合弁(生きている時のように、貝殻が2枚一組になっている状態)は拾ったことがないです。拾ったことあるよ!という人はぜひ教えてください。
さあ、これでキミも桜貝マスターだ!ん?結局見分けがつかなかったって?そんなキミは、ぜひ真鶴町立遠藤貝類博物館に本物の桜貝たちを見に行こう!!!
【参考文献】
奥谷喬司(2000)『日本近海産貝類図巻』東海大学出版会,p972-981
佐々木猛智(2010)『貝類学』東京大学出版会,p270-271
誤同定などありましたら、優しく教えてくださると、とっても嬉しいです。
質問などありましたら、コメント欄に書き込んでください!
画像撮影はすべて筆者。